ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第14話
友人であり至上主でもある
クリシュナは、
親族が敵味方になり
苦悩し悲しむアルジュナに対して、
知性を安定させることについて
教えを授けています。
アルジュナがクリシュナに聞きました。
「クリシュナよ。
知性が乱れず、
サマーディー
(心の深いところに没頭した状態)に
入った人は、
入った人は、
どんな特徴を持っていますか?
またどのように
話し、坐り、歩きますか? 」
クリシュナは語りました。
「アルジュナよ。
心から生まれてくる
すべての欲望をことごとく手放して、
心を支配して、
本当の自分(魂)の至福に
満足した人は、
知性の揺らがぬ者
(スティタ・プラギャーの人)
と知られるのだ。
世の中には自分の心や体から起こる苦しみと
他の生命から与えられる苦しみと
天災の苦しみがある。
この三つの苦しみにも心を乱されず、感覚的な快楽を得る機会があっても求めず、
執着と恐れと怒りを捨てた人を
心の揺らがない聖者と呼ぶ。
心の揺らがない聖者と呼ぶ。
世の中一般で広がっている物事にも愛着せず、
良きことがあっても大喜びせず、
悲しいことに直面しても嫌悪しない人は、
知性が定まった人である。
亀が手足を甲羅に収めるように
五感(視る・聴く・嗅ぐ・味わう・触わる)の対象から
自分の感覚を引き払うことのできる人は、
知性が固定した人、と言える。
肉体をまとっている(人間の様な)魂は、
欲望を抑えても
経験してきた味わいを記憶している。
だが、
至上魂(パラマートマー)をさとることで
(上質な味わいを得れば)、
その記憶も消失するのだ。」
…続きはまた明日。
(今日は2章54-59節まででした)
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