ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第33話:行為の放棄とは(4)
クリシュナは、解脱と永遠の至福について語りました。
「真理を学んだ聖者は、
真に謙遜の美しい心がまえを
もっている。
僧侶(ブラーフマナ)も
牛も象も肉食者も差別なく、
ただ平等にみている。
すべてを平等にみて
常に心が静かな人は、
すでに輪廻転生を克服している。
彼らはブラフマン(宇宙の真理)
のように
円満で何も欠けていない。
すでにブラフマンの中に
安住している。
自己の本性を悟った(真理を知る)人は、
愉快なことがあっても喜ばないし、
不愉快なことがあっても悲しまない。
知性が揺らがないので
迷わされることがなく、
善悪や損得などを超えた
ブラフマンの境地にいる。
解脱した人は
感覚的な快楽には関心がなく、
常に内面にある魂の喜びに浸っている。
このように心を至上主に結び付けて
限りなき幸福を味わっている。
アルジュナよ。
感覚を喜ばせることは
一時的なもので、
終わった後に
必ず悲しみや苦しみが生じる。
だから、悟った者は、
この始めと終わりのある
悲しみや苦しみの源泉には近づかず、
空しい快楽を喜ばない。
もし、肉体を脱ぎ捨てる前に、
自分の感覚による衝動に打ち勝って、欲望と怒りを抑制したならば、
その人は、
現在の人生においても幸福である。」
…続きはまた明日。
(今日は5章18-23節まででした)
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