第285話:ゴーピーがクリシュナの竹笛の音色を讃える(5):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
「ピンと立てた耳を容器に、
牛たちはクリシュナの口から流れ出た
竹笛の甘露を飲んでいます。
母親の潤った乳首から溢れた乳で
口を満たした子牛たちは、
立ったまま動けずに
涙で一杯の瞳で
ゴーヴィンダと心の中で共にいて、
その心の中で主を抱きしめます。
母よ。
この森の中では、
すべての鳥が美しい木々に枝の上から
クリシュナを見ています。
目を閉じて、
主のフルートの甘い響きを耳を澄ませてただ聞き、
他のどんな音にも決して意識を向けません。
当然、この鳥たちは
偉大な聖者の方々と同じ段階にいらっしゃいます。
川がこのフルート(クリシュナの歌)を聴くと、
川の心は主を望み始め、
その潮流は決壊し、
水は駆り立てられ、渦を巻きます。
波という腕で
ムラーリ(クリシュナ)の蓮華の御足を抱きしめ、掴み、
蓮華の花をその前に捧げるのです。」
…つづく
(10巻21章13-15節)
0コメント