ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第19話
友人であり至上主でもある
クリシュナは、
戦場で苦悩するアルジュナに対して、
(いまは)「義務と心の満足」について教えています。
クリシュナはアルジュナに言いました。
「まず、至上主に供えて、
その後にその残りものを
食べる聖なる人たちは、
あらゆる種類の罪から解放される。
だが、
自分の感覚を満足させるためだけに
食事を用意する人は罪人であり、
ただ罪だけを食べている。
例えば、すべての生き物は
穀物によって生きている。
その穀物は雨があるから育つ。
雨は祭祀や儀式(ヤギャ)によって、
神々が喜ぶので降る。
ヤギャは、
義務(祭祀の決まった形式やその準備。
またそのために必要なお金を稼ぐために仕事をするなど)
を行うことでできる。
その義務はヴェーダ
(宇宙の誕生や仕組みについて伝わる叡智)より発し、
ヴェーダは至上者(大いなる存在、バガヴァーン)より現れた。
だから、すべてに存在する超越者は、永遠にヤギャの中にいらっしゃる。
愛するアルジュナよ、
ヴェーダに規定された義務に従わない者は、
必ずや罪深い生活を送り、
感覚の喜び(美味しいものを食べる、美しいものを見る、地位や名誉や異性を求める、など)のみに浸り、
むなしくこの人生を終えてしまう。
だが、自分の本当の姿に目覚め、
歓喜し、
完全に自己に満足する人には、
もはや為すべき義務はない。
そのような人にとっては、
この世に規定の義務をなして得る
目的もなく、
義務をしない理由もない。
他のどの生物にも頼る必要もないのだ。
だから、結果に執着しないで、
ただ与えられた義務をおこないなさい。
このように働くことによって、
輪廻転成の流れから解放される。
そして、この上ない魂の完成に達する。」
…続きはまた明日。
(今日は3章13-19節まででした)
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