ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第39話:瞑想とは(5)
クリシュナは、
ヨーガの修行と心の平安に
ついて言いました。
「辛いことにも耐え、我慢強く
このヨーガの修行を続けなさい。
偽りの自我から起こる
すべての欲望を捨てて、
あらゆる方面から感覚を支配しなさい。
(私やこのヨーガに対して)十分な確信をもって
一歩また一歩と
知性に導かれて、
サマーディの峰に上りなさい。
そして心を
ただ一点、本当の自分
に固定して、
他の一切を思うな、考えるな。
心は頼るのがむずかしく、
ゆらぎやすい。
感覚の対象を求めて、
うつり気にさまよう。
ヨーガの修行をする者は
このうつり気な心を
強い決意でひき戻し、
自己の支配下に
おかなくてはならない。
すべてを至上主と結びつけたヨーギーは、
本当にこの上ない幸福を得る。
いつもブラフマン(宇宙の根源)の境地に達していて
すべての執着や嫌な感情からも離れ、欲望もなく
心は平安である。
このように修練したヨーギーは、
自己に安定し、
物質的束縛から解放されて、
ブラフマンの悟りという
この上ない最高の喜びに達する。
本物のヨーギーは、
すべての中に
至上魂(パラマートマー)を見て、
また至上魂(パラマートマー)の中に
すべてを見る。
本当に真理を悟った人は、
あらゆるものを同等に見る。
森羅万象、いかなるところにも
私(クリシュナ)を見て、
私の中に森羅万象を見る人を
私は必ず見ている。
その人物はいつも私とともにある。
私がすべてのものの中に
(パラマートマーとして)存在する
ことを知るヨーギーは、
私に保護を求めて、
私をひたすら真剣に
祈るものである。
どこにいても
何をしても、
私の中に住み、
私と共にある。
アルジュナよ。
他人の幸福も不幸も
すべてを自分のことのように、
同じように考えられる人こそ、
最高のヨーギーである。
それが私の意見である。 」
…続きはまた明日。
(今日は6章24-32節まででした)
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