ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第40話:瞑想とは(6)
アルジュナは言いました。
「至上主クリシュナよ。
あなたが説明してくださった
ヨーガの方法は、
とても実践できそうもありません。
心は動きやすく、頼りないです。
友のクリシュナよ。
心はいつもゆれ動いて、
荒れ狂って、
本当に迷ってばかりです。
これを制御することは、
風を自分の思い通りに
支配するよりもむずかしい。」
至上主クリシュナは、言いました。
「誰よりも強く勇ましい、アルジュナよ。
いつも騒いで動き回る心を
制御するのは、
確かに難しい。
だが、いつも途切れることなく修練して、
欲から離れることで可能になる。
あちらこちらに目がいく心をもった人にとって、
ヨーガで完成するのは、
極めて難しい。
だが、心をコントロールして、
正しい方法で道をすすんでいれば、
必ず成功する、
というのが私の意見だ。」
アルジュナは、たずねました。
「クリシュナよ。
はじめは信念をもってヨーガを実践したものの、
世の中にあるうつろいごとに
心が負けて、
ヨーガの道から堕落してしまった人々には、
どのような運命が待っているのですか？
誰にも負けないクリシュナよ。
カルマ(義務を行うこと)や
ヨーガ(至上主と結びつくこと)
の双方の道からはずれてしまった人は、
悟りも得られず、
どの世界にも足場がなくなり、
ちぎれ雲のように消えてしまうのですか？
クリシュナよ。
これが私の疑問です。
ぜひ、この不安を解消してください。
私の疑惑を取り除くことのできるのは、
あなたを以外に他に誰もおりません。 」
…続きはまた明日。
(今日は6章33-39節まででした)
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