ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第69話:至上主の宇宙の姿(5)
アルジュナは言いました。
「ヴィシュヌと呼ばれるクリシュナよ。
さまざまな色の炎を空に放ち、
多くの口を大きく開いて
眼はらんらんと燃え盛る
あなたのこの姿を見て
私の心は恐れおののいてしまい、
心が乱れ、
平静に保つことができません。
身の毛もよだつ歯と
破壊の火のような
燃え盛る炎に満ちたあなたの口を見て、
どの方角に救いを求めたらよいのか、
どうしていいのかわかりません。
神々の支配する者である至上主よ。
全宇宙の保護者よ。
どうか私をあわれんで、
慈悲を与えてください。
敵として、
今戦場で対峙している
ドリタラーシュトラの息子たちも、
彼らと同盟を組んだ王たちも、
ビーシュマ、ドローナ、カルナといった
味方の将軍や戦士たちも皆、
あなたの恐ろしい口へとなだれ込んでいきます。
そしてそのすさまじい歯にかかって、
頭をバラバラに噛み砕かれ、
押しつぶされていくのが見えます。
地上に流れる多くの川が、
いずれも大きな海に流れ込んでいくように、
王も英雄も戦士たちもすべて、
あなたの燃え盛る炎のような
口の中に入っていきます。
飛んで火に入って死ぬ蛾のように、
これらの戦士たちも全速力で、
あなたの口の中に、
なだれ込んでいきます。」
…続きはまた明日。
(今日は11章24-29節まででした)
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