ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第70話:至上主の宇宙の姿(6)
「おお至上主であるヴィシュヌよ。
あなたはその恐ろしい口で、
四方八方からくる人々をなめては、
むさぼり食っている。
あなたは、
あなたの恐ろしくすべてを照らす
光輝によって
全宇宙を焼き焦がそうとしている。
神々の中の神よ。
恐ろしい御姿をした
あなたは誰なのですか?
私はあなたに敬意を表します。
どうぞ私に慈悲をお授けください。
根源なる至上主よ。
私はあなたについて知りたいのです。
あなたのなさることは
私にはわかりません。」
至上者はアルジュナの質問に答えました。
「私は時である。
あらゆる世界の大破壊者である。
私は人々を滅ぼすために
ここに来たのだ。
お前たち兄弟を除いて、
この戦争で、
両軍の将兵たちはすべて殺される。
ゆえに立ち上がって、
戦って栄誉を勝ち取りなさい。
敵を征服して
王国の繁栄を楽しむがよい。
彼らの死は私によって、
すでに決定されている。
弓の名手である軍人のアルジュナよ。ただ戦う道具となりなさい。
ドローナやビーシュマや
ジャヤドラタやカルナをはじめ
他の名だたる軍人たちの命は
既に私が奪った。
だから、彼らを殺しても
決して心配することはない。
ただ戦いなさい。
お前の勝利は、保証されているのだ。」
至上主クリシュナのこの言葉を聞いて、
アルジュナは手を合わせ、
震えながら何度もおがんでは、
おそれおののき口ごもりながら、
次のようにクリシュナへ言いました。
…続きはまた明日。
(今日は11章30-35節まででした)
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