ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第89話:物質自然の3つの質を超える(4)
クリシュナは言います。
「肉体をまとった生命が、
その体に作用する三つの性質を超越したとき、
生きること、老いること、
死ぬこと、などの苦しみから解放されて、
生きているうちでさえ、
甘露を味わう。」
アルジュナはたずねます。
「主よ。
三つの性質を超越した人の
特徴は何ですか?
彼はどんな振る舞いをするのですか?また、どのようにして
三性質を超越するのですか? 」
至上者であるクリシュナは答えます。
「パーンドゥの息子のアルジュナよ。
徳性の光輝、
激性の執着、
また無知性の迷妄が現れても嫌わず
消えても追い求めない者。
これら物質自然の三つの性質の作用に動揺することもなく、
悩むこともなく、
ただ物質自然の三つの性質のみが
作用していると静かにみて、
超然として執着せずに中立を保つ者。
自己(魂である自分)をさとって、
幸せと不幸を区別しないで、
土も石も黄金も同等にみて
すべての事物に
好き嫌い、良い悪い、
などの感情を起こさないで、
賞賛と非難、名誉と不名誉に
心を動かさない者。
友と敵を同じように接して、
肉体を維持する以外の努力を
放棄する者。
以上のような人は、
物質自然の三つの性質を超越した
といえる。
いかなる場合でもただひたすら、
私に愛と献身から仕える者は、
速やかに
物質自然の三つの性質の束縛から
超越して、
宇宙の根源のブラフマンを
悟ることができるようになる。
私クリシュナが
ブラフマンの基礎であり、
不死不滅であり、
永遠の法則であるダルマであり、
究極の幸福である。」
…続きはまた明日。
(今日は14章20-27節<14章おわり>まででした)
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