第29話:クリシュナの降誕(5):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
ヴァスデーヴァは、
生まれたばかりのクリシュナに
話し続けました。
「物質自然の三様式の
産物であるこの肉体が、
魂から独立したもの、
肉体こそが自分)である
と考える人は、
生命の基本原理を理解していません。
それゆえに、その人は、愚か者です。
博学な人は、この結論を論破します。
なぜなら、魂こそが本質で、
肉体と感覚から得られる喜びは
一時的であると理解しているからです。
しかし、愚かな人は、
肉体的な喜びこそが真実と考えて、
その博学な人の意見を拒否してしまいます。
主よ。
博学なヴェーダの学者は、
全宇宙の創造、維持、破壊は、
あなたによって難なくなされます。
あなたは、
物質自然の三様式に影響をされず、
自分本来のスピリチュアルな立場を
変えることもなく、
なされるのです。
根源の至上主であり、
パラブラフマンであるあなたには、
矛盾することはありません。
なぜなら、
徳性(サットヴァ)、
激性(ラジャス)、
無知性(タマス)の
物質自然の三様式は、
あなたの支配下にあるので、
すべてが自然に起こるのです。
主よ。
あなたの御姿は、
物質自然の三様式を超えています。
しかし、
この三界(物質界)を維持するために、
あなたは、
徳性(白)のヴィシュヌの姿を取り、
創造のために激性(赤)の姿に、
破壊のために、
無知性(黒)の姿に囲まれるのです。
主よ。
全創造物の支配者よ。
あなたは、今、
世界を守るために私の家に現れてくださいました。
あなたは、
クシャトリヤの姿をしていても、
実際は悪魔である世界を
自分のものにしようと
我もの顔で闊歩している敵を
必ず殺すでしょう。
一般大衆のためにも、
殺されてしかるべきです。」
…続きはまた明日。
(今日は10巻3章18-21節まででした)
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