第161話:ブラフマーが少年と牛を盗む(5):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
クリシュナは、
友達である牛飼いの少年たちが不安がるのをみて、
不安そのものを獰猛に支配する主でありながらも、
彼の不安をなだめようとこう言いました。
「大好きな友よ。
食べるのをやめないで。
僕が、自分で牛たちの後を追って、
この場所に連れて戻るから。
僕に牛たちを探しに行かせておくれ」
「楽しいことを台無しにしちゃいけないよ」
そう言って、
手にヨーグルトとご飯を持って、
人格を持った至上主であるクリシュナは
すぐに友達たちの牛を探しに行きました。
主は友達たちを喜ばせようと、
すべての山、山の洞穴、
低い木々や狭い小道も探し始めました。
...マハーラージャ・パリークシットよ。
空にある宇宙構造の高い次元に住むブラフマーは、
悪魔のアガースラを殺して解放したクリシュナの
最高に力強い御技を目撃し、驚愕していました。
そこでブラフマーもまた、自身の力を見せ、
クリシュナの力ををみたいと思ったのです。
クリシュナは子どものリーラーに興じており、
まるで普通の牛飼いの男の子のように遊んでいます。
だから、クリシュナがいない間に、
ブラフマーはすべての少年たちと牛たちを
他の場所に連れて行ってしまいました。
そうすれば、
いかにクリシュナの力がすごいかということに、
すぐ近い将来において自分も関われるだろう、と考えたのです。
…つづく
(10巻13章13-15節)
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