第165話:ブラフマーが少年と牛を盗む(9):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
ずいぶん前から、
ゴーピーたちはクリシュナに母性愛を持っていました。
とりわけ、クリシュナへの愛情は
自分の息子への愛情よりも優っていました。
その愛情の表れから、
ゴーピーたちはクリシュナと自分の息子は違う、
とわかっていたものの、
この時ばかりは、その違いが消えてしまいました。
牛飼いの男性や女性などのヴラジャの住民たちは、
前から自身の子供以上に
クリシュナに愛着を感じていたのですが、
この一年間は、自分の子供への愛着が増し続けました。
なぜなら、
まさにクリシュナが子供になっているからです。
彼らの子供となったクリシュナへの愛情は、
とどまることを知りません。
クリシュナを愛するように、
毎日子供への新しい愛が、
彼女たちに芽生えました。
このように、主シュリー・クリシュナは、
自ら、牛飼いの少年たち、子牛たちになり、
自身により自身を維持しました。
こうして主は主のリーラを
ヴリンダーヴァナと森の両方で続けたのです。
…つづく
(10巻13章25-27節)
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