第258話:森の大火を吸い込む(3):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
突然、大きな森の火事が
辺り一面を覆いました。
森の生き物を
壊滅させるような恐ろしさです。
馬車の騎手のように、
風は炎をさらに推し進め、
恐ろしい火花が全方向に飛びました。
実に大きな火が動いては、
動かぬすべての生命体に向け、
炎で出来た舌を伸ばしました。
牛たちと牛飼いの少年たちは
森の火事が全方向から
自分たちに向かってくるのを
じっと見つめていました。
彼らは恐ろしくなりました。
それから少年たちは
クリシュナとバララーマに
助けを求めて近寄りました。
まるで死の恐怖に苛まれるかのように
人格を持った至上主の元へ行ったのです。
牛飼いの少年たちは、お二人に言いました。
「クリシュナよ!クリシュナよ!
もっとも力強き御方よ!
ラーマよ!
決して誤ることなき御方よ!
どうかあなたに身を捧げる者を
御救いください。
森の火事に今にも燃やされそうで、
あなたに助けを求めます!」
…つづく
(10巻19章7-9節)
0コメント