ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第21話
(友人であり至上主でもある
クリシュナは、
戦場で苦悩するアルジュナに対して、
この場面では「行動による原因と結果」について教えています。)
クリシュナは
アルジュナに言いました。
「誤った自我に覆われている魂は、
いろいろな活動をしているのは
自分自身であると考える。
しかし実際は、
物質自然の三つの性質で
動かされている。
アルジュナよ。
自分のほんとうの姿である魂は、
物質自然(世界)の三性質からも
カルマの法則(原因と結果の法則)
からも離れていると知る人は、
「自分が行っている」と思わず、
ただ感覚が感覚の対象に
接触していると考え、
それらに執着しない。
この物質自然の三つの性質に
影響された人は、
自分の感覚に影響を与えるものや
世の中の仕事に執着する。
賢明な人は、
それは物質自然における無知の様式が原因である
と知っても、
彼らの心を不安にしてはいけない。
『自分が魂であると自覚して、行動のすべてを私に任せなさい。
見返りを求めないで、
自分が行っていると思わないで、
悲しみ嘆くことを捨てて、
勇ましく戦いなさい。』
私を信じて、
私を妬むこともなく、
この私のアドバイスに、
いつも誠実に従う者は、
やがて、
カルマ(原因と結果)の鎖から解放される。
だが、妬み心から
私のアドバイスを疑って、
これを実行しない人たちは、
物事を判断する力を失って、
真実の知識を奪われて
人生完成への努力もむなしく
水の泡になる。
知識のある賢明な人でも
生まれつきもった性質によって行動する。
すべての生きものは
自然に生まれた時に得た傾向に従う。
これに逆らって何になろうか。
感覚器官は、
感覚の対象に対する『好き』『嫌い』という思いに
否応なく支配される。
ゆえに、
『感覚』と『その対象』に
支配されてはいけない。
この二つは自己の悟りの道の
障害である。
他人の義務を引き受けるより、
不完全でも自分の義務を行う方がはるかに良い。
他人の道を行く危険をおかすより、
自分の義務に従って滅びる方が
よいからだ。」
…続きはまた明日。
(今日は3章27-35節まででした)
0コメント