ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』第11話:主クリシュナの降誕(11)
「空に輝く月や太陽や星は、
油や水などの液体に映し出されると、
風の動きによって、
丸や四角などの違う姿になります。
同様に、
生命体である魂は、
物質的な思いに没頭すると、
無知のために
その考えや思いに応じた姿
になるのです。
言い換えると、
物質自然の様式によって
心が乱されて、
その心が映し出されたもの
に苦しむのです。
それゆえに、
妬み心や罪深い活動によって、
ある身体を持つようになり、
それによって、来世で苦しみます。
とすれば、
なぜ、私たちは、
罪深い行動をするべきなのでしょうか?
自分のためを思うならば、
誰にも妬むべきではありません。
なぜなら、
妬む人は、
今世あるいは来世に、
いつも敵からの攻撃を
恐れなければならないからです。
このかわいそうなデーヴァキーは、
あなたの実の妹であり、
愛情の対象です。
それゆえに、
あなたは慈悲をもち、
彼女を殺すべきではありません。
実際に彼女は愛するべき存在です。」
とヴァスデーヴァは、
カムサに言いました。
シュリー・シュカデーヴァ・ゴースワーミーは、
この教えを聞いている
このパーリクシット王に言いました。
…クル王朝の最高の者よ。
カムサは、恐ろしく残酷で、
実は、悪魔の従者でした。
それゆえに、
ヴァスデーヴァの良い教えをもってしても、
彼をなだめることも、
諭すこともできませんでした。
彼は罪深い行為の結果など、
少しも気にしていなかったのです。
ヴァスデーヴァは、
カムサが妹のデーヴァキーを殺そうと決意していたので、
熟考し、
この死の危険をどうやって回避するかを考えて、
カムサを止める別の方法を考えました。
知性があり、体力がある限り、
知性ある人は
死を避けようとしなければなりません。
これは、
肉体を持っている人の義務です。
しかし、努力しても、
死を避けることができないならば、
その人には、責任がありません。
…続きはまた明日。
(今日は10巻1章43-48節まででした)
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