第32話:クリシュナの降誕(8):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
「マドゥスーダナよ。
あなたが降誕されたので、
私はますますカムサを恐れるのです。
それゆえに、
あなたが私のお腹から生まれたことを、
罪深いカムサに
わからないようにしてください。
主よ。
あなたは、
すべてに遍満する至上主であり、
あなたの法螺貝、車輪、棍棒、蓮華を
抱えた4本腕の姿は、
この世界では、不自然です。
どうかこの姿を消してください。
普通の人間の子供のようになれば、
どこかに隠すことができます。
破壊の時が来れば、
全宇宙は、
動く生命体も動かぬ生命体も、
あなたの身体の中に入り、
そこで難なく留まります。
しかし、今、あなたは、
私のお腹から
この超越的な姿で現れたのです。
人々はこれを信じないので、
私は、嘲笑の対象になるでしょう。」
至上主クリシュナは答えました。
「お母さん、最も貞節な女性よ。
あなたは前世では、
スワーヤンブヴァマヌの時代に、
プリシニとして知られました。
その時ヴァスデーヴァは、
スタパという最も敬虔な
プラジャーパティでした。
二人とも、主ブラフマーに
子孫を作るようにと、命ぜられ、
まず、感覚を支配し、
厳しい苦業をしました。
お父さん、お母さん、
あなた方二人は、
雨、風、強い日差し、
照りつける灼熱の暑さにも、
厳しい寒さにも耐えました。
ヨーガのプラーナーヤーマを
実践することにより、
体内の気の流れを支配し、
空気と木から落ちた乾いた葉を食べ、
心の汚れを浄化しました。
このようにして、
私からの祝福を望んで、
落ち着いた心で私を崇拝しました。」
…続きはまた明日。
(今日は10巻3章29-35節まででした)
0コメント