第35話:クリシュナの降誕(11):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
ヨーガマーヤーの影響によって、
門番たちは、眠りについたので、
かれらの感覚は作用しなくなりました。
その家の住民たちも
深い眠りに入りました。
太陽が昇ると、
暗闇が自動的に消えるように、
ヴァスデーヴァが現れると、
鍵の掛かった鉄扉と手錠が
自動的に開きました。
空の雲では雷が鳴り、
雨がしとしとと降っていたので、
至上主の化身である
アナンタ・ナーガ(千の頭を持つという蛇)が、
ドアのところから
ヴァスデーヴァに付きそって、
いくつもの鎌首で
ヴァスデーヴァと超越的な子供(クリシュナ)を
保護しました。
インドラ神が降り続く雨のせいで、
ヤムナー河の水かさは増し、
渦を巻いて泡立ちながら流れていました。
しかしインド洋が、
以前、主ラーマチャンドラに橋を作るために、
道を作ったように、
ヤムナー河もヴァスデーヴァが河を横切れるように、
道を作ったのです。
ヴァスデーヴァが、
ナンダ・マハーラージャの家に
到着すると、
牛飼いたちはすべて深い眠りに入っていました。
こうして彼は、
自分の息子をヤショーダーのベッドに置き、
ヨーガマーヤーの化身である
(ヤショーダーから生まれたばかりの)
娘を抱きかかえて、
自分の住処である、
カムサの牢獄に戻りました。
ヴァスデーヴァは、
その女の子をデーヴァキーの
ベッドに置きました。
自分の両足に鉄の鎖をはめて、
元どおりにとどまりました。
産後に非常に疲労感を感じていた
ヤショーダーは、
眠りに落ちて、
自分の産んだ子が、
男の子か女の子かもわからなかったのです。
…続きはまた明日。
(今日は10巻3章48-53節<3章おわり>まででした)
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