第106話:母ヤショーダーが主クリシュナを縛る(3):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
非常に激しく怒り、
歯で赤い唇を噛み締めて、
クリシュナは目に嘘の涙を浮かべて
石の破片でヨーグルトの器を壊しました。
それから部屋に入り、
ひっそりとした場所にある
混ぜたての新鮮なバターを食べ始めました。
母ヤショーダーは
熱くなったミルクを火からおろしてから、
バターを混ぜていた場所に戻りました。
ヨーグルトの容器が壊され、
そこにクリシュナがいないのを見て、容器が壊れたのはクリシュナの仕業である、
と母ヤショーダーは結論づけました。
その時クリシュナは、
木で出来た上下逆さまに置かれた
スパイス挽きの上に座り、
好きなままに猿たちへ
ヨーグルトやバターのようなミルクで作ったものを配っていました。
盗みを働いたので、
非常に注意深く辺り一面見渡しています。
お母さんに叱られるのではないかと思ったのです。
母ヤショーダーは、
彼を見るや否や、
彼のうしろに非常に注意深く近づきました。
…つづく
(10巻9章6-8節 より)
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