第176話:ブラフマーが少年と牛を盗む(20):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』
それから主ブラフマーは外界への意識を取り戻して、
立ち上がりました。
それはまるで、死人が生き返ったようでした。
とても困難を感じながらも、
目を開いて、
一人きりで宇宙を見ていました。
あたり一面を見渡すと、
主ブラフマーはすぐ目前に
ヴリンダーヴァナを見たのです。
その地は木々に溢れ、
住民たちの暮らしがあり、
すべての季節の中に存在する
喜びそのものでありました。
ヴリンダーヴァナは
主の超越的な住処です。
そこには、飢えも怒りも乾きもありません。
そこには、本来相反する人間と獰猛な動物が、
超越的な友情を結びともに生きています。
…つづく
(10巻13章58-60節)
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